ロマン・ボランスキー監督の極め付け「チャイナタウン」
 ハードボイルド映画は数あれど、この「チャイナタウン」と「さらば愛しき人よ」私の中で甲乙つけがたい大好きな映画です。映画にすぐ引き込まれるかどうかは、その時代を映し出す映像と音楽。2作品とも1930から40年代の雰囲気を濃厚に漂はせて巧みに引き込んでいってくれます。私立探偵のジャック・ニコルソンとフィリップ・マーロー役のロバート・ミッチャム。相手役のフェイ・ダナウェイとシャーロット・ランプリングはそれぞれに個性的で大人の女。実に魅力的です。ストーリーはかなり入り組んでいて登場人物も複雑。細かくわかりにくい点も多いのですが、以前見た時の印象が長く余韻を残す不思議な魅力をたたえた映画です。そういえば「ロンググッドバイ」という変わったマーローものもありました。エリオット・グールドが最も輝いていた時代の一本です。
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