今年はいろいろありましたが。健さんが思い出になるなんて。
 残念です。生きていてくれるだけでよかったのに。人生を全うしたというのは本当でしょうね。全共闘世代にとっては「昭和残残侠伝」東映のころはやくざや路線の真っただ中で同じパターンから抜け出すころに、実録ものに東映が移行「仁義なき戦い」の大ヒットで以前の路線は終了したのでしょう。人によって大好きなこの一本があるのでしょうが、年齢によってそれぞれ。まだ青二才風の「飢餓海峡」から「八甲田山」「冬の華」「居酒屋兆治」「新幹線大爆破」200数本出演していたからきりがありません。来月は年の暮れ。健さんで忘れがたいのは「駅」の客のいない飲み屋の場面。似た者同士の孤独を背負った二人が、舟歌を聞きながらしっとり過ごす静かな雪の夜。健さんと言えばいつもこのシーンを思い出します。健さんも死んでしまうのね。死なないような気にさせる稀有な存在でした。
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