今月のシネマクラブは「黒い牡牛」長い間待ちました!

「黒い牡牛」はハリウッドの赤狩りで実名で活動できなくなったダルトン・トランボが脚本を書いたことでつとに有名です。彼は「ローマの休日」「スパルタカス」「パピヨン」「ジョニーは戦場に行った」などすぐれた作品を多く残しましたが、ハリウッドに復帰を果たす前は実名ではクレジット出来ず、イアン・マクレラン・ハンター、ベン・L・ベリー、ロバート・リッチなどの別名で仕事を続けました。「黒い牡牛」は、メキシコに住む少年が、イタノと名付けた仔牛に愛情と友情を注ぎ過酷な運命を共に乗り越えて行く。というよりあきらめない不屈の闘志で勝ち取っていくという物語です。後半の闘牛シーンはすべてが実写なので観客から闘牛士登場する勇猛な牡牛まですべたが本物という大迫力。最後の感動は小学生の時一度見たきりなのにいまだに記憶に鮮明に残ります。決して屈しない強い意志とエネルギッシュな生き方は当時ハリウッドを追放されたトランボ自身を投影しているかのようです。1956年アメリカ映画。1時間40分でこの充実感。映画は製作費と上映時間が多ければいいてもんじゃありません!
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