ベルナルド・ベルトルッチ「暗殺のオペラ」今月のシネマクラブ
 やっとと言いましょうか、待ってましたと声をかけたい「暗殺のオペラ」。ヨーロッパでの映画の権利関係が複雑なのか、発売されるのは「暗殺の森」ばかり。世評の高い「暗殺の森」に隠れてこの美術品のような映像美の作品が埋もれていたのはもったいない。映像のすごさは名手ヴィットリオ・ストラーロのおかげ。これは見てみなければわかりません。俳優で有名と言えば「第三の男」「夏の嵐」のアリダ、ヴァりぐらい。架空の町北イタリアの、タラ。そこに降り立った暗殺された英雄の息子父と名前まで同じアトス。暗殺の真実を探っているうちに現実と幻想がないまぜになっていく・・。彼が中庭でまどろむ白昼夢かと思われるような。これが監督29歳の作品とは驚くばかりです。何よりこの作品がブルーレイの美しい画面で観られる映画にとっていい時代になりました。
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