今月のシネマクラブは泉鏡花の「婦系図」でした。紅涙を絞りました!
 kazedemokkaze 風邪でもないのに鼻水をすする音がそこここで。涙腺崩壊映画の一本。高野聖、天守物語、外科室…現代にも通じる作品を多く生み出した泉鏡花。実際の体験をもとに書かれた「婦系図」。大恩人の真砂町の先生は、実際は師である尾崎紅葉ですが、「私をとるか、女をとるか」と迫られて最愛の人と泣く泣く別れる義理と意地の物語。当時の二人の美学が分からないと、何のことやら理解不能の人がいそうでかえって時代の怖さを感じます。健さんが意地と義理で死ぬとわかって殴り込みなんて馬鹿な男の無駄死にに見えるのでしょうね。映画もその時代の人々の生き方考え方、そして感性も理解してから鑑賞する時代なのかもしれません。
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