檸檬シネマクラブ今月は「バベットの晩餐会」でした。
 1989年公開。デンマーク映画。19世紀ユトランドの田舎町。牧師の家の美しい姉妹は幾多の求婚をすべて断って、いつの間にか歳を重ね、同時に信者の人たちも年老いてゆきます。そんな時豪雨ともいえる雨の中、遠いパリから革命の粛清を逃れたバベットが姉妹を頼ってやってきます。ここに置いていただくだけでお金はいらない。もし断られたら死んでしまいます。と必死の訴えに姉妹はバベットと暮らすことになります。寒村のたらと硬いパンを煮ただけの質素な暮らし。あるときパリの友人を介しバベットに宝くじが当たり、姉妹は喜ぶと同時に去っていくだろう予感にに、一抹のさみしさを感じます。ちょうどそのころ父親の牧師の生誕100年を記念して、食事会を開くことになります。唯一のお願いだといってバベットが食事を作ることになりたぶん一生に一度の豪華な晩餐会が始まります。おおもとの食材からすべてを手作りする時代のこと、目を見張るような料理の数々が次々に運ばれいつしか皆の心も和み、寄り添って幸せな一夜が過ぎていきます。わずかながらに食の仕事に携わるわたくしにとって、パイを作るシーンやお酒を流し込んだ焼き菓子の美しさが印象的。おいしいものを食べてみんな幸せな気分。私もバベットにあやかってババット?の晩餐会でそんなケーキを提供できたらいいのですが。ちなみに晩餐会のメニューをご紹介。ウミガメのコンソメスープ・キャビアとサワークリームの載ったパンケーキ・ウズラとフォアグラのパイ詰め石棺風・季節のサラダ・チーズ盛り合わせ。クグロフ型サヴァランラム酒風味・フルーツ.コーヒーすべてに料理に合わせた最上級のお酒とともに提供されます。
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