年齢には関係なく素敵なショーン・コネリー

俳優としてはもう引退をしてしまったショーン・コネリー。初代ジェームズ・ボンドは今の国境を越えたようなボンドと違い、色濃く英国の香りを漂わせていました。持ち物生活スタイルファッション、車。お酒の種類まで。当時日本はまださほど豊かでもなく、ただ憧れるしかありませんでした。ジョーン・バリーの音楽が素晴らしく今のシリーズにも使われるほど。暗くなったスクリーンでタイトルとともに流れるともうわくわくしてどっぷりその世界に埋没したものです。彼のすごいのは、いつまでも同じ役に固執しなかったこと。以前から薄い頭髪とうわさされていましたが、さっぱりそのまま出演し、かえってこれもいけると、演技力でねじふせました。役選びの幅広さ。「インディー・ジョーンズ最後の聖戦」ではインディの父親役で、お茶目でウィットにとんだ役柄を楽しそうに演じていました。今でもブランドバッグの広告に乞われて登場し、バッグに劣らぬ存在感は圧倒的です。かっこいいとかスタイリッシュとかボデイビルダーのように鍛えた体が絶賛されますが、彼らにかけているのは軽妙でユーモアを醸し出す独特の個性。誰でもないショーン・コネリーのボンドは永遠です。