12月のシネマクラブは「シベールの日曜日」でした。
 シベール役のパトリシア・ゴッジの愛らしさ、戦争で記憶を失った青年ピエールのハーディー・クリューガー。美しい映像とともに忘れられない映画の一つです。クリスマスの日にフランソワーズという偽りの名前でない本当の名をピエールにプレゼントする少女。しかしその日は彼の命の終わりの時でもありました。過去を失った孤独な青年と、家族に捨てられ寄る辺ない一人ぼっちの少女。二人の純な魂のふれあいは、現実の世界では理解されないものでした。古代からの土着の信仰と、それを認めず排斥するキリスト教社会の対比でもあります。再販されてすぐ売り切れましたが、現在ブルーレイは2万円になり、これ一つとっても、根強いファンが多い映画のようです。
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