たばこが重要な小道具だった時代。アラン・ドロンもかなり意識したようで。
 現代でもアメリカ出身の俳優と欧州の俳優はどこか漂うものが違うようです。映画雑誌でも英国出身俳優の特集が組まれるなど、お国柄の違いは世界統一とはいかない様です。コロナウイルスが感染拡大中なので、肺によくないたばこの存在はますます大変なのでは。健康志向の高まりと、嫌煙権が認められたことで、映画にも喫煙シーンが微妙なものになりました。日本でも外国でも、俳優は役柄に応じたたばこの吸い方を研究したものです。演じる側の「間」の大切さもたばこで表現できました。生まれ育ち職業心理状態まで、一本の煙草に込めて演じていました。俳優の佇まいにも大きな影響を与えた「たばこ」が消えそうなこの頃、かっこいい男の喫煙スタイルも過去のものなってしまうかもしれません。この写真の彼の手にもしも「たばこ」がなかったら・・・。
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